スリVS俺 - 雅に行こうぜ

その日もキャッシュゲームは好調だった。

相手のトップペアに対してセットやストレートが都合良く炸裂、高確率で通るだろうと判断して放ったビッグブラフも捕まる事も無く、3時間弱のプレーで6500ペソほど収支を上げていた。

思い通りのプレーもできて好きなようにテーブルコントロール出来たなって瞬間も何度かあったから上機嫌だったね。

うーむ、余は満足じゃ。

俺はわりと短時間で収支が上がればサクッと切り上げる。

単純にその日の食い扶持が稼げればいいやって感じだから、逆に思ったような収支が上がらなければ何十時間でもプレーする。

その日は同じ宿に泊まってるたくみさんと同卓してて、俺が辞めるタイミングでたくみさんも上がるとの事だったので飯食い行きましょってなった。

わりと大きく勝ったしプレー時間も短いから疲れもないしで酒でも飲みますかーってなってマラテへ。

安定の一期一会。

俺のお気に入りの店である。

たくみさんはまだ一期一会来たことないとの事だったのでお勧めがてら一期一会で飲む事に。

たくみさんは今まで70ヶ国くらいバックパッカーで旅してきた方で、俺は色んな国のことを知りたかったからなんやかんやと色々質問した。

俺は今回のマニラが初海外で他の国の事なんてほぼ全く知らないに等しい。

知りたいことはたくさんある。

フィリピンの色々な文化やライフスタイルに少し触れただけで俺にはすごく刺激的に思えたし、好奇心も掻き立てられた。

答えはいつだって自分の内側にあるが、それを求めるための知識と感情は外側から得たものだ。

誰の言葉だろう？ものすごく核心を突いているぞ、、、。

俺の言葉だ、、、！！

かっこいい。シェークスピアかよ

俺が求めてるものはいつだって俺の知らない何かだ。

無知ほど愚かなことはないと俺は思う。

そんな感じでたくみさんに色んな国の話聞いたりポーカーの話したりしながら飲み食いしてたわけよ。

したらさー、たくみさんも見たところかなり酒好きみたいでさ(俺より飲んでる)

「金子さんLAカフェ行きましょう！飲み代だったら出しますよ！」

てゆー爆弾が突如投下されましたw(LAカフェについては過去ブログ参照)

まじかーw行きたいてか行くw行きますw行くんだけど女行くのはやめとこーわりとマジでw

そろそろ本格的にバンクロール構築するためにポーカー頑張ろうと思ってたので女を買うなんて愚行するつもりはありません。

ただ楽しく飲めればいいじゃんか。

俺たちは会計をすませるとLAカフェに向かって歩き出しました。

これから数分後惨劇が襲うとは知る由もなく、、、。

てくてく

ア「この辺シルバーのチェーン売ってるとこありますかねー？H & Mとか売ってないすかね？」

た「どーなんですかねー、あんまりなさそうですけどねー」

ア「やっぱないすかねー、俺もう10年以上磨いてないクロムハーツのトップあって、めっちゃ念込もってるから着けたいんすよねー」

なんて他愛ない話をしながらLAカフェを目指して歩いていく。

LAカフェのある道最後の直線に差し掛かったところ、2人組の娼婦が近付いてくる。

相変わらず英語も現地語もわからんから何言ってるかわからんがとりあえず拒否、あしらう。

やんわりしつこい娼婦

蝿を追っ払うようにいなす俺

LAカフェも目と鼻の先

やっと諦めたかーと思ってそのまま歩いてると、、、

あれ、財布がねー、、、！！

ポケットに入れてた財布が無くなってることに気付きました＼(^o^)／

いやいやいやいや笑えへん笑えへんwwwww

振り返るとまだ娼婦が見えるとこにいたのでソッコーダッシュで追いかけました。

てめーら財布盗ったろゴルァァァアア返さんかいボケェェェ！！！！

奴らには理解できないであろう日本語でまくしたてる俺。

2人に詰め寄ってカバン開けさせるんですが、、、

無い、、、orz

たくみさん曰くこんだけ開き直ってカバン見してきてるってことはもう財布は仲間に渡して闇の彼方へ誘われてるとのこと。

はぁ、、、マジでか、、、。

こっちでのバンクロール全部入ってたし、カード類も全部入ってたから金引き出すこともできない状態に。

余談ですがこんな事もあろうかとこっち来る前にデビッドカードを2枚作っておいたのですが2枚とも財布に入ってたってゆう謎の仕様、、、2枚作った意味とは( ・∇・)

とりあえず途方に暮れる俺、明日からどうしよう。

喪失感から色々な思考が頭の中を駆け巡りましたが、そこから今回のスリについて考察を入れてみました。そこから浮かんできたのは

ジョースター卿の気持ちでした、、、。

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おなじみジョジョの奇妙な冒険から、2巻参照ですかね。

ダリオブランドーが事故に乗じてジョースター卿の奥さんの結婚指輪を盗みます、そしてそれを売り払ったところを捕まりジョースター卿と邂逅するシーンがあるんですが、そこでジョースター卿はダリオブランドーを咎める事なく許すんですよね。

奥さんはこの事故の時に死んでしまってるから大切なはずの形見の指輪なんですが、ジョースター卿の考えはこうです。

私も貧しい生まれだったら同じ事をしたでしょうと、、、。

マラテの深夜ってか朝方らへん、噴水公園の周りさ物乞い多発するんだけど、ストリートチルドレンとかもいっぱいいるわけさ。

小学校上がるか上がんないからへんのガキだぜ？それが深夜にさ、Hey Bossつって話しかけてくるわけ、I'm hungryつってさ

セブンイレブン行きたいつってくっついてきたガキがいた、そんな事言われても俺も困るんだけど、別にそのガキに飯食わしてやるくらいわけないけどさ、何の関係もない奴を1人だけ優遇するとか好きじゃねーからさ、キリねーじゃんそんなガキばっかなんだから(俺なにげめっちゃ子供好きだから俺だっていたたまれない気持ちなんだぜ)

んで俺も困ってたんだけど帰るとこでタクシー捕まったから乗ろうとしたらそのガキがタクシーのドア開けるわけ、まーそんな必要ないんだけどさ、チップくれって事なんだわ、それがそいつにとっての仕事っつーのかな。

別に頼んでもねーけどさ、まーさすがに仕方ないから他の人に見られないように20ペソだけ渡した。

まーそんなんも目の当たりにしてさ、思うわけよ。

俺が同じくらいのガキの頃何してたっけなって。

まー寝てたよね、深夜3時だの4時だのなんてさ。

結局日本人なんてクソ恵まれてんのさ、別にそれを負い目に感じる必要もないし、好き勝手贅沢してパーティしようぜって話。

なんだけど、多分きっと俺も盗ってた。

日本じゃ考えられないような貧しい暮らし送ってたら、俺もきっと盗ってたわ誰かの財布。

だから喪失感はハンパないけど、怒り的な感情はまったく無いかな、強いて言うならどーせ盗られるならガキのがよかったかなってくらい。

まーそーゆーわけで、金無くなっちったんで、帰国しましたwwwww

無一文の俺をたくみさんが航空券代出してくれて助けてくれました。

財布盗られたあと宿帰ってまた色んな話もして、たくみさんにはほんとにお世話になったんで、これはまた俺が復活した時にお返ししますって言ったんだけど、たくみさんはこーゆー時は助け合いなんでいいっすよって言ってくれて、また今後自分の周りでトラブル合った人がいたらこの分はその人に返してあげてくださいって言ってくれて

この人ガンジーなのかよ

って思いました。マジで感謝ですm(_ _)m

そして帰国前夜には宿でお世話になった中川さんにも火鍋御馳走になって、マニラ最後の夜も楽しく過ごせました、ありがとうございましたm(_ _)m

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